イースト菌は、パン作りに一番なくてはならない材料です。
でも、イースト菌ってあまり詳しく調べないですよね!? (^^
そこで、パン作りの基本 【イースト菌とは】何かを紹介致します。
イースト菌
イースト菌とは
生物学的には 【単細胞生物】になります。
イーストは英語で yeast = 酵母と言う意味。
なので、パン屋さんで使用しているイースト菌は
細かく言うと【 パン酵母 】と言います。
さらに専門的に言うと!
サッカロミケス・セレビシエ菌
Saccharomyces cerevisiae(サッカロマイセス・セレビシエ)
マイセス?ミケス?どっち?・・・・
この サッカロミケス・セレビシエ菌、意外とパン屋さん知らないんですよ。
※テストに出るよー
イースト菌で馴染んでいますので・・・
イースト菌はどこにいる?
イースト菌はどこにでもいます。あなたのそこにもいます。^^
ふわふわ空中をさまよっているので、他の菌と同様体内に吸い込んでいます。
一番の住みか(繁殖場所)は果実などの【糖】がある所にいます。
そのため、天然酵母を作るときに【レーズン】をよく使います。
イースト菌の好物とは
イースト菌の好物は、【 糖 】です。
なので、菓子パンなどの砂糖の多いパン生地は活発に活動します。逆にフランスパンには、砂糖が入っていないので活動しにくいため モルトと言う麦芽糖を入れて、イースト菌の活動を促します。
※イースト菌は塩に弱いのでパン作りの時、塩と一緒にして置いておかないように注意です。
イースト菌とグルテンが織りなす神秘!!
この画像は、1日発酵させた中種に切り込みを入れて、割ってみたところです。
鍾乳洞のような見た目で無数の穴や柱があり、パン作りの中で一番好きな所です。
中種に切り込みを入れて、広げるときは特に最高です。ふわ~って感じで・・・
イースト菌の発酵臭も最高~っス!
イーストフードとは
イーストフードとは、その名の通り 「イースト菌が食べるもの」で
別名【生地改良剤】とも呼ばれています。
イーストフードを入れたパン生地は活発に発酵・安定するので大量生産される工場などでよく使われます。
ですが 近年、イーストフードは添加物で悪いものとして扱われていますが、イーストフードと言っても 16品目もあり国が認可していますので、必要最低限の使用であれば問題ないかと思います。
国が認可しているイーストフード一覧
塩化アンモニウム
塩化マグネシウム
グルコン酸カリウム
グルコン酸ナトリウム
炭酸アンモニウム
炭酸カリウム(無水)
炭酸カルシウム
硫酸アンモニウム
硫酸カルシウム
硫酸マグネシウム
リン酸水素ニアンモニウム
リン酸二水素アンモニウム
リン酸―水素力ルシウム
リン酸二水素カルシウム
リン酸三カルシウム
焼成カルシウム
イーストフードは一括表記出来てしまう。
イーストフードを2種類以上使用する場合、物質名ではなくイーストフードという一括名で表記することが認められています。
イーストフードと表記されている製品の多くは、3~5種類程組み合わせて使われている場合がある為、実際には!何の添加物(イーストフード)がどれくらい入っているのか、わからない・・・
以前のパン屋でも、普通に使われていましたが、添加物を意識している
消費者の方の配慮も含めて
今では、【酵素】を入れるパン屋さんも多いかと思います。
天然酵母との違い
パン屋さんで使用しているイースト菌の種類も様々なものがあります。
◎ 生イースト
◎ ドライイースト
◎ セミドライイースト
◎ インスタントイースト(赤とゴールドの2種類)
◎ 天然酵母
すべて 【イースト菌(パン酵母)は同じです。】
生イーストは、天然のイーストを培養した物で、それを乾燥させたものが
ドライイーストになります。なので、天然酵母との違いは
【 培養 】しているかどうかになります。
レーズンに付いている天然の酵母を発酵させている所 ↓
イーストの種類
1. インスタントイースト
・赤
・青
・ゴールド
・ピザ
2. セミドライイースト
3. ドライイースト
4. 生イースト
5. 天然酵母
1.インスタントイースト
・インスタントイースト・赤 (低糖用 基本的には12%以下)
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こちらのイーストは基本的にフランスパンのハード系に使います。
※ビタミンcが入っているので、グルテンの強化が期待できパンのボリュームが出ます。
インスタントイーストの原産国はフランスなので、フランスの気候にあったイースト菌とも言えます。生イーストとの違いはやはり乾燥しているので、保存状態が良いことです。計量も簡単で手も汚れません。一番使い勝手が良いイースト菌ではないでしょうか。
インスタントイースト(赤)は 砂糖を使用しないパン又は砂糖12%以下のパン生地に適していますが、砂糖12%以上の生地に使用できない訳ではありません。
※パン材料のインスタントイーストでよく使われているのは、フランスのサフ社ですね。
・インスタントイースト・青
サフ インスタントドライイースト ブルー[青ラベル] 500g
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インスタントイースト(青)は、パン屋さんではあまり使われていない感じです。赤との違いはビタミンcが入っていない事なので、パンの見た目を重視するパン屋では、中々使わないでしょう。
こだわりを持った職人さんが使用する又は、ビタミンcに抵抗がある方が使っています。こだわりを持った職人さんは自分でビタミンcをコントロールしたいので、インスタントイースト(青)を使うと思います。コスト面で良いので使っている方も多く、赤との違いはそれほど変わらないという意見も多く見られますので、さほど生地の状態は変わらなのではないでしょうか?イメージ的ですが、生地が緩む(緩い)状態になるかも・・・
※僕は使ったことがありませんので、どのようなパンに適しているかは分かりません。すみません。
・インスタントイースト・ゴールド
インスタントイースト(ゴールド)は、砂糖が12%以上入ったパンに適しています。
ゴールドの特徴は耐糖性になりますが、耐糖性とは何か?
【耐糖性】とは・・・イーストの増殖に欠かせないのが砂糖ですが、イースト菌は砂糖を分解してブドウ糖と果糖を食べて増殖しています。(イースト菌の体内のあるインベルターゼという酵素でブドウ糖と果糖に分解しています。)
砂糖が多く添加されるとイースト菌は、どんどん砂糖を体内に取り込んでいき、生地中に糖分が増え浸透圧の影響でイースト菌が持っている水分が外に流れて、イースト菌が脱水症状を起こしていまい、発酵が正常に行われなくなってしまいます。その現象を抑えるのがインスタントイーストゴールドになります。
※インスタントイースト(赤)でも、しっかり発酵はしますので基本的にはインスタントイースト(赤)のみで色々なパン生地は対応出来ますので、無理にゴールドや青のタイプを使う必要はないかと思いますが、色々試して検証するのもパン作りの面白い所ですね。
・インスタントイースト・ピザ
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インスタントイーストピザは、そのなの通り【ピザ専用】になります。性質としては、生地の伸展性が良いので、生地の締まりが無くとても伸ばしやすくなっています。
2.セミドライイースト
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このセミドライイーストは、インスタントイーストと生イーストの中間という位置づけでインスタントイーストと生イーストの良い所を合わせた商品になります。特徴はイースト臭が少ないのと冷凍対応している所です。パンの香りが他のイーストより若干劣りますので具材の味を引立たせたい時に使用します。
3.ドライイースト
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ドライイーストは予備発酵をさせるため、他のイーストと比べると作業性が良くないのでパン屋では、あまり使われていない傾向ですが香りが良いと評判で、こだわりのある職人さん達が好んで使用する傾向があります。
4.生イースト
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生イーストは、パン屋では定番でしたが近年では作業性・保存性などの理由でセミドライイーストなどにシフトしている傾向ですが、生イーストは価格が安く色々なパン生地に使えるオールマイティーな存在で日本の気候にあったイースト菌とも言えます。
予備発酵させるとさらに美味しくなり、使っている方としてもイーストの香りが良く「パン作ってる!」という感じにさせてくれます。(笑)
5.天然酵母
天然酵母の採取に一番適している果実がドライレーズンになりますので、家庭でも簡単に作る事が出来ます。ただしドライレーズンでコーティング(オイル)しているレーズンにはイースト菌は付着出来ないので、コーティング加工していない・洗っていない自然なドライレーズンを使いましょう。
天然酵母の作り方(イースト菌の作り方)
ドライレーズン 200g
水 200g
密閉できる瓶
※2回目以降から発酵したレーズン5%(10g)
作り方は簡単!レーズンと水を合わせて、3日~4日 25℃の場所に置いておくだけ。
※発酵期間は環境によって異なります。
この発酵したレーズンを絞ったのが、発酵液になります。
絞る前のレーズンを5%(発酵液を作るレーズン・水に対して)次に作る時まで瓶にとっておいて、そのレーズンと一緒に混ぜると1日の発酵で発酵液が作れます。(夏場なら)
イースト菌は体に悪いのか?
この様な質問がネットで流れていますが、イースト菌は体に悪くありません。
もし体に悪いのであれば、昔から食べていません。
イースト菌は体に悪いということが広まってしまった理由には、イースト菌の餌となるイーストフードが食品添加物であることが原因ですが、イーストフードもすべて悪い訳ではありません。
※詳しくは上記の【イーストフードとは?】をご覧ください。
ベーキングパウダーとイースト菌の違いは?
ベーキングパウダーとは、膨張剤のことで重曹と重酒石酸カリウム、炭酸アンモニウムを混ぜた水と過熱でイースト菌と同じように炭酸ガスを発生させます。
イースト菌よりは発酵力が弱く香りも無いため、パン作りには向いていませんが、作れなくはないです。
※どのようになるのか試してみるのも経験です。
まとめ
いかがでしたか?
イースト菌(パン酵母)には、色々な種類がありますが、元々は自然界に住んでいる身近な菌なんです。
なんか、親近感湧いて来ませんか?
ほら!今吸い込んでるよ~(笑)
世界の発酵種